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坂村真民記念館 ~人はどう生きるべきか~癒しの詩人 坂村真民の世界

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館長ブログ

今年もどうぞよろしくお願いします。

2024年1月7日

PerfectDay

明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。

年末に見た映画「PERFECT DAYS」についての感想を一つ。

日常のルーチンワークを、完璧(Perfect)にこなし、毎日を生きている人間が主人公の、そこへ至る人生の過程が、断片的に描かれて、でも、今の人生を肯定的に、「Perfect」に生きる姿に、私たちに向かって、人間の生き方を考えさせてくれる映画だ。

ある意味で、「禅の世界」に通ずる生き方を描いている映画だと思う。

「厳しい戒律の下で、あるがままに生きる」という生き方は、

欧米の人々の感覚からは、理解できないのではないだろうか。

そういう意味で、この映画は、主演男優賞を取ったが、作品賞は取れなかったのではないだろうかと思った。

しかし、キリスト教関連の団体から、人間の内面を豊かに描いた作品に贈られるエキュメニカル審査員賞を受賞しているので、宗教的な精神という点では、欧米の人々にもビム・ベンダース監督の意図は届いているのかもしれない。

そうは言っても、私的には、令和5年の映画の中では、一番しっくりくる映画だったと思う。

そして、気に入ったのが、映画のテーマソングともなっているLoo Reedが歌う「PerfectDay」。

なんとなく意味深な歌で、ちょっと考えさせられる歌ですね。

ユーチューブで本人出演の映像と歌が聴けます。

https://www.youtube.com/watch?v=QYEC4TZsy-Y

そもそもこの映画は、THE TOKYO TOILETという東京渋谷の公共トイレを世界的な建築家やクリエイターが回収するというプロジェクト活動をPRするために企画された映画なのだから、

あくまで「トイレ」が主人公であり、役者はその脇役なのであり、完璧なストーリーは要らないのかもしれない。

「今度は今度! 今は今!」という言葉が、今を生きる主人公の口癖として出てくるが、「今日一日を、Perfect Day」として生きる主人公の生き方を良く表していると思う。

「木漏れ日」の心地よさ、ギラギラの日が当たる世界より、木漏れ日の世界を愛する主人公の生き方に、好感を持ってしまう。

パーフェクトな毎日の生活に、ちょっとした出来事が起こり、日常の生活を狂わすが、主人公も、実は、その完璧さを狂わす出来事に、人間としての喜び、悲しみを感じて、生きているし、それを喜び、悲しみ、感じている自分が嬉しいのだ。

ゆったりとした時間の中で、この映画を思い出しながら、正月を過ごそうと思っていたら、能登半島地震に、羽田空港での衝突事故と、現実の世界に有無を言わさず戻されてしまった。

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