開館5周年記念特別展「東日本大震災と坂村真民の詩~鳥は飛ばねばならぬ、人は生きねばならぬ~」のお知らせ
平成29年3月4日(土)~6月11日(日)
坂村真民記念館は、2012年3月11日という特別な日にオープンしました。それは、この記念館が東日本大震災で被災された皆さんと一緒に、皆さんの気持ちに寄り添って、新たな道を共に歩き出したいと願ったからです。
坂村真民の詩には、つらい、苦しい気持ちの中で、悲しい気持を噛みしめながらも、前向きに生きることを詠った詩がたくさんあります。そうした坂村真民の詩によって、被災された皆さんの心に生きる希望と勇気を取り戻してもらいたいという願いを込めた記念館なのです。
大震災より6年を迎える今年は、震災により亡くなった方々の7回忌にも当たります。坂村真民記念館では、開館5周年記念特別展として、愛媛新聞社と共催で、東日本大震災の記憶を風化させることなく、これからも人々の記憶にしっかりと留めてもらうことを願って、「東日本大震災と坂村真民の詩~鳥は飛ばねばならぬ、人は生きねばならぬ~」展を開催いたします。
東日本大震災とその後の被災地の復興状況の記録写真を中心とした岩手日報社と愛媛新聞社の報道写真を中心に展示し、被災地の今を生きる人々の現状を見ていただきたいと思います。そして、被災者の方々に寄り添い、悲しみをともに悲しみ、困難を乗り越え、前に向かって生きる人へ「生きることの大切さ」を詠った坂村真民の詩を展示することとしております。
また、この特別展の趣旨に賛同いただいて、被災者への鎮魂と哀別の想いを込めて、臨済宗円覚寺派の横田南嶺管長に特別に揮毫していただいた「真民詩11点」を特別展示します。
坂村真民記念館にとりましても、開館から5周年という節目の年を迎え、今一度原点に立ち帰り、真民詩の真髄である「生きる希望と勇気を感じ取る詩」を厳選して展示したいと思っています。多くの皆様がこの特別展をご覧になり、東日本大震災の記憶を呼び戻し、震災後の貴重な体験を生かして、新たな時代に向かって生きてゆくことを考えていただければと思います。
坂村真民の詩は、貧しいながらも心豊かな生活を求めた詩、どんなに苦しくても、悲しくても、生きる希望を持ち続けることを訴えた詩が中心です。現代の日本人が、忘れかけようとしている生き方、考え方を、もう一度坂村真民の詩を通して思い出して貰い、皆さんの今後の生き方を考えるヒントにしていただければ幸いです。どうぞ、多くの方々のご来館を心からお待ちしております。
「祈りの詩人坂村真民の原点を求めて~聖フランシスコとマザー・テレサ、そして一遍へ~」展のお知らせ
平成28年10月22日(土)~平成29年2月26日(日)
坂村真民は、仏教詩人とも祈りの詩人とも言われています。坂村真民の「祈り」とは、「大いなる人にすべてを任せること」、「その人を信じ切ること」であり、これが真民の「信仰」であり、そこには「キリスト教の祈り」が大きく影響しています。
「祈りの人」として、坂村真民が最も尊敬しその生き方を自分の生き方として求め続けた人は一遍上人ですが、この一遍の生き方に辿り着くまでに聖フランシスコが居り、現代の一遍として仰いだのがマザー・テレサでした。この3人に共通する生き方は、「清貧、無所有、謙譲、博愛」という生き方であり、ハンセン病患者への想いも共通するものを持っています。今回の企画展では、この3人への想いを詠った詩を中心に展示、解説し、坂村真民の生き方の中心にある「祈り」の原点に迫りたいと思っています。聖フランシスコとマザー・テレサというキリスト教の聖人と日本の捨聖といわれる一遍上人がこんなにも同じ生き方をしていたのか、そのへんも是非記念館で確かめてください。
「坂村真民と二人の母」展のお知らせ
平成28年6月11日(土)~10月16日(日)
坂村真民には生みの親である坂村タネと心の母となる杉村春苔尼という二人の母がいました。この企画展では、坂村真民の人生とその詩に大きな影響を与えた二人の母について、これまで公開されていない資料や写真等を使って、その人となりを明らかにし、真民詩に与えた影響について詳しく解説する予定です。
母よ(94歳)
伊予(愛媛)のひと
芭蕉の母を知る
道元禅師の母
伊子(いこ)を知る
母の恩を忘れるな
私の母は二人ある
産んで下さった母と
大詩母さまとして
拝んでいる
杉村春苔尼先生
ああ
母よ母よと
大きな息をして
大海を泳ぐ
海の王者の鯨よ
坂村真民記念館開館4周年記念特別展「森信三と坂村真民の世界」展について(ご案内)
期 間 平成28年3月5日(土)~6月5日(日)
場 所 坂村真民記念館
昭和34年6月18日に、坂村真民は森信三先生に初めてお会いする。
その日以来、真民にとって森先生は厳父であり慈父となる。
「昭和42年「自選坂村真民詩集」の出版が決まると、自分の事のように喜び、全国の教え子、知人に手紙を書いて購入を呼び掛け、渾身の力を込めて「詩集の序文」も書いてくださった。
詩集が届いた日には、「ホンツイタ コレデニホンガ スクワレル モリ」という電報をくださり、坂村真民が「自選坂村真民詩集」により全国的に知られるきっかけを作って下さった一番の貢献者である。
その後も、生涯にわたり、「父親のような厳しさと優しさ」でずっと見守って下さったご恩に対し、真民は詩を作ることによってお答えするのである。
人生二度なし
人生二度なし
森信三先生にお会いして
この言葉が
気海丹田の中に焼きつき
わたしは新しく
スタートした
そして賦算誌『詩国』を発行し
平成十六年二月号で
五百号になる
この間一回も休むこともなく
刊行できたのは
先生の励ましの
おかげである
先生の霊よ
永久なれ
企画展「坂村真民と一遍上人」のお知らせ
期 間 平成27年10月24日(土)~平成28年2月28日(日)
場 所 坂村真民記念館
坂村真民記念館では、10月24日(土)より来年2月28日(日)までの会期で、新しい企画展「坂村真民と一遍上人」を開催いたします。今回の企画展では、坂村真民の人生とその詩に大きな影響を与えた「一遍上人」を採りあげます。
坂村真民は、50歳の時宝厳寺の一遍上人立像と対面し、破れ衣に裸足の足で全国を遊行して回られた一遍上人の姿に魅了され、その志を受け継ぎ生涯の師として仰ぎつづけました。
企画展では、真民の「一遍上人を詠った詩」と「一遍上人語録 捨て果てて」の中から、一遍上人の人間的魅力を語ったところを取り出し、「一遍上人の生き方とその思想」を分かりやすく解説パネルで展示しています。
また、一遍上人の生涯を絵巻にした国宝「一遍上人絵伝」から有名な場面の写真を、時宗総本山遊行寺と国立東京博物館の協力を得てパネル展示しています。愛媛で生まれ、愛媛で修行を重ね、全国を遊行して回られた一遍上人は、全国的な知名度に比べて、愛媛ではあまり知られていないのが現状です。これからの日本人の生き方を考えるとき、今こそ一遍上人の生き方とその思想は多くの人に感動と共感を生み出すものと考えます。
坂村真民の「独特な生き方」は、「一遍上人の生き方」を求め続けた「生き方」であったと言えます。なぜ坂村真民は一遍上人の生き方に魅かれそれを生涯求め続けたのか、そしてその結果真民詩にどのように影響を与えているのかについても体系的に分かりやすく展示しています。
また、常設展では、坂村真民の代表的な詩墨作品を19点展示しております。真民直筆の大額に入った「真民詩」は、また格別の味わい深い書でもあります。
どうぞ多くの方がご来館してくださるよう、心からお待ちしております。
企画展「坂村真民と家族の絆」のお知らせ
期 間 平成27年6月6日(土)~10月18日(日)
場 所 坂村真民記念館
坂村真民の詩で一番多いのは、家族を詠った詩です。貧しい生活の中で一生懸命に生きようとする家族の、切なく哀しい中にも喜びと愛情あふれる日常の生活を詠った詩を多数書き残しています。
今回の企画展では、こうした坂村真民の家族を詠った詩の中から、代表的な詩を採りあげ、その詩の生まれた背景やその頃の家族の状況について、当時の写真やゆかりの品物、「真民の言葉」を分かりやすくパネルにまとめて展示しています。
真民詩に出て来る坂村家の家族、妻と三人の娘は、貧しく厳しい生活の中でも精一杯楽しく幸せに毎日を生きています。そんな「坂村家の家族の光景」を、真民は父親のやさしい眼で、詩人としての純粋な眼で見て詩に書きとめています。
今回の企画展では、あまり真民詩には登場しない「真民の妻」であり「三人の子の母親」である、坂村久代にスポットを当て、真民が「真民らしく」生きることができたのも、「三人の子」が素直で明るくやさしい娘に育つことができたのも、この「妻・母」がいたからこそであることを紹介しています。
「本当の家族の幸せ」とは何かを考えさせてくれる詩、「懐かしい家族の光景」を思い出させてくれる詩が数多く展示されています。どうぞ皆さんも、「坂村真民と家族の絆展」にお出かけくださり、家族の絆をもう一度確かめてください。
坂村真民記念館開館3周年記念特別展「吉永邦治と坂村真民の世界」展のお知らせ
期 間 平成27年3月7日(土)~5月31日(日)
場 所 坂村真民記念館
「飛天」を描き続け、飛天研究の第一人者として活躍している、画家吉永邦治の、愛媛での初めての本格的な作品展を、坂村真民とのコラボ展という形で実現しました。
「飛天図」のほか大作の「仏涅槃図」(縦1.4m、横10.5m)や「釈迦十大弟子」等の迫力ある作品が展示される予定です。
飛天を題材にした詩を82篇も作っている坂村真民の、「飛天の詩」も数編展示をします。
世界中を飛び回っている真民の飛天の姿を思い浮かべながら、神秘的な「飛天の世界」を構成したいと考えています。
砥部時代(第2部―平成元年~平成18年―)の真民
期間 平成26年10月10日(金)~平成27年3月1日(日)
砥部に来て22年が経過した平成2年1月から、毎月砥部の開花亭で「朴庵例会」が始まり、平成16年1月まで166回続きます。また平成2年からは、「全国朴の大会」も各地で開催されることとなり、平成12年までに7回開催され、全国的にも、詩の愛読者が増えてきます。さらに、「念ずれば花ひらく」等の詩碑の建立も、ますます増えてゆき、平成5年に200番目の碑が建立され、平成7年に300番目、平成8年に400番目、平成11年に500番目、平成13年に600番目、平成16年に700番目の碑が建立され、海外も含めると真民生存中に737基の詩碑が建立されました。
また「詩国」の発行も毎月休むことなく続けられ、平成16年2月には500号を達成しました。一方で、平成3年5月に、妻が病に倒れ、入退院を繰り返す生活が続き、、真民にとっては80代後半から晩年にかけては、妻の看病という「新たな試練」と向き合う生活が続くことになります。そういう中でも、砥部に住む方たちとの交流は続き、妻の病気に対する温かい心配りもいただき、砥部に住む喜びを感じながら、穏やかな時間を過ごして、晩年を迎えることとなります。95歳で「朴庵例会」を終え、「詩国」「鳩寿」を96歳で終刊とした真民は、「人生の最期を一人の孤独な人間に戻る」ことを目指して、すべての人との絆を断つことを決断し実行します。こうして、全国の真民ファンから惜しまれ、家族の献身的な見守りの中で、97歳の生涯を閉じることになります。
今回は、こうした第2部(平成元年から平成18年12月まで)の17年間の、それぞれの時代に出会った人々や、真民が影響を受けた方々を紹介するとともに、その時代の代表的な詩を展示し、紹介しています。坂村真民の詩の世界の集大成とも言える「砥部時代」をより広く深く理解してもらうことが出来る企画展となっていますので、ごゆっくりと鑑賞してください。
(常設展で初めて展示する作品)
(この頃の坂村真民)
小池邦夫と坂村真民の世界 ~いのちをつなぐ「心の絵手紙」展~
期間 平成26年3月11日(火)~6月1日(日)
「絵手紙」という新しいジャンルの芸術を創り出し、「絵手紙文化」を全国に発信し続けている、書家小池邦夫の、郷里・愛媛での初めての本格的な作品展が、小池が慕い、尊敬した坂村真民とのコラボ展という形で実現しました。
「誰のものでもない、独自の花を咲かす」ことを求め続けて生きて来た、坂村真民にとって、「絵手紙」一筋にたゆまぬ努力を傾け続けてきた、絵手紙作家・小池邦夫は、自分と同じ生き方をする「同志」でもありました。
こうした二人の、代表的な作品を一堂に集め展示します。
2014年3月4日(火)~6月8日まで、東京・有楽町の相田みつを美術館で開催されます
「坂村真民と相田みつをの世界」展のお知らせです。