2012年8月15日
皆さんお元気ですか。
お盆休みに県外から帰省されたお客様がたくさん来られてます。
今日は、先日来館していただいた、前衆議院議員小野晋也氏から手紙が届きましたのでご紹介したいと思います。
小野先生は、2009年に54歳の若さで国会議員を引退され、地元新居浜市に戻られ、在野の政治家として、新しい時代の国家ビジョンを発信されるとともに、後進の育成にも力を注いでおられる、私の尊敬する人物の一人です。
その手紙の中に、今秋発行される雑誌の原稿が入っており、その中で坂村真民について触れられている部分があり、とても素晴らしい文章なのでご紹介します。
~「自分の花を咲かせる」ということ~
今年の三月十一日、この日が何の日だったかと尋ねれば、多くの方々が、昨年の東日本大震災からちょうど一年を迎えた日とお答えになられると思います。(中略)
ちょうどこの大震災一周年にあたる日に、愛媛県で産声を上げた記念館がありました。それは、仏教詩人として広く知られた坂村真民さんの自筆の詩を数多く展示し、その人生を顕彰している「坂村真民記念館」です。真民さんの詩が、被災地の方々を勇気づけているという話に、ならば震災一周年のこの日に記念館を開館し、真民さんの祈りや願いを被災者の皆さんへの強いメッセージとして送り届けようとしたのだということでした。私は、開館後二ヶ月余を経た五月になって初めて、この記念館を訪問したのですが、その時には、既に来館者が一万人を突破していました。日本の各地に、真民さんのファンが数多くおられるということでしょう。
真民さんの詩は、技巧を凝らしたものではなくて、心の中に生まれる天地と響き合う思いを、率直に飾らずに表現しているものです。それだけに、多くの人の心に素直に響くものを持っているのだと思います。
私の大好きな詩も数多くあるのですが、その中で、特に強く心に響くものといえば、「七字のうた」と題されたこんな詩です。
よわねをはくな
くよくよするな
なきごというな
うしろをむくな
ひとつをねがい
ひとつをしとげ
はなをさかせよ
よいみをむすべ
すずめはすずめ
やなぎはやなぎ
まつにまつかぜ
ばらにばらのか
真民さん五十七歳の時の詩だそうです。天地自然の営みの中に、自らが主体性を失うことなく、心に宿る願いに向かって、しっかりと着実に歩んでいこうとした真民さんの思いがよく表現された詩だと思います。(中略)
私は、人が志を持って生きるとは、結局は「自分の花を咲かせる」ということなのだと思います。それは、雀はスズメであり、柳はヤナギであるということであるし、松から吹いてくる風が松風であり、バラから薫ってくる香りがバラの香であるように、一人ひとりがそれぞれに持っているものを存分に発揮して力強く生きるということだと考えます。人間には、それぞれ持って生まれたところの特質があるのだから、それを思う存分に発揮して、自分自身の花を咲かせていくということこそが大切だということでしょう。そして、自分自身のうちから自然に湧き出してくるものであってこそ、真実の花を咲かせることができるということでもあるのでしょう。(後略)
、(雑誌「教育創造」(発行・日本教育文化研究所)の予定原稿より抜粋)
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