開館13周年記念特別展「慈悲の心と生きる喜びを~横田南嶺老師が選ぶ真民詩の世界~」
(会 期)令和7年3月8日(土)~6月29日(日)
(開会式) 3月8日 9時~9時30分
(横田南嶺老師講演)3月8日 10時30分~11時30分
演題 「今、真民詩に学ぶ」
(開催趣旨)
横田南嶺老師が円覚寺・黄梅院の掲示板に、毎月揮毫された真民詩を掲示されるようになって26年が経ち、さらに2019年8月からは、受付所や参道沿いにもう一か所掲示板が設置され、毎月2篇の真民詩が掲示されています。掲示される数々の真民詩は、多くの人の心に響き、真民詩のファンを新たに生み出し、遠く砥部の地を訪ねてくださる方が増えています。
今回の特別展は、こうした横田南嶺老師の26年間のたゆまぬご努力の結果である「円覚寺の掲示板の真民詩」を寄贈していただき、その代表作を展示するものです。南嶺老師の優しく分かりやすい文字で書かれた「慈悲の心を持ち続け、生きる喜びを詠った真民詩」は、私たちの心を潤し、心に豊かさを与えてくれます。どうぞ皆さん、お誘い合わせて記念館にお越しください。
【開催期間】令和6年10月26日(土)~令和7年3月2日(日)
真民さんは、生きとし生けるものへの愛情を込めた詩を数多く作っています。
特に、野に咲く草花を詠った詩は、真民さんの純粋で清らかな心をそのまま表現した詩として、多くの読者の方に読まれています。
今回は、その中でも真民さんが一番好きな「タンポポ」の花を詠った詩とその写真を一緒に展示することとしました。この写真は、この企画展のために、西澤館長が全国を回って撮り集めた写真です。
真民さんがタンポポや野に咲く草花を、どんなに愛していたか、タンポポからどんなに励まされ、「たくさんの生きる力」をもらって生きて来たか、真民さんとタンポポの関係を分かりやすく解説したパネルも展示しています。
真民さんは、40代から、タンポポの生き様が好きになり、自分をタンポポと重ねて、タンポポの生き方をめざして生きるようになり、「タンポポの詩」を書くようになります。さらに、毎日書いていた思索ノートの題名にも「タンポポ日記」や「タンポポ堂日記」と名付けたり、まさにタンポポを自分の分身として考えるようになるのです。
今回の企画展を開催するために、改めて真民さんとタンポポの関係を学び直して、色んなことを再発見しましたので、その成果もパネルにまとめています。
皆さんもこの企画展の展示作品を見て、「温かい真民さんの想い」と「野に咲く草花」の愛らしさと逞しさを感じてください。
どうぞ、多くの方々のご来館を心からお待ちしております。
坂村真民が若い人たちに一番伝えたかったことは、「どんなに小さい花でもいい、自分の花を咲かせよう」ということでした。誰かの真似をするのではなく、自分で苦労して考え、自分独自の花を咲かせてほしいと願っていました。
人生の先輩として、苦しい事、つらい事、悲しい事をいっぱい経験してきた真民さんの詩には、若い人たちがこれから生きてゆくために必要な、「人間として生きるためのヒント」が書き込まれています。
また、真民さんは若い人たちが、いろんな経験をし、失敗も重ね、時間をかけて成長してゆくことを心から願っていました。
若い人たちには、失敗や挫折を恐れることなく、苦労を重ねて悩み、そこから「自分の花」を咲かせてもらいたいと思います。
今回の企画展では、こうした真民さんの思いを多くの人に知ってもらうため、一万篇の真民詩の中から、若い人たちに是非読んでもらいたい詩を中心にして展示し、宇和島東高校の教師をしていた頃の「卒業生を送る言葉」や、随筆集に載せられた「自分の花を咲かせよう」という「真民さんから若い人たちへのメッセージ」も展示しています。
時間をかけて、こつこつと、自分の道を歩いてきた真民さんからの、「温かく優しい言葉」に勇気づけられ、生きる希望を見つけられることと思います。
若い人たちはもちろん、毎日を一生懸命に生きている多くの方々が、これからの人生のなかで、失敗や挫折を恐れることなく自分の道を進み、それぞれ自分の花を咲かせることができますように心から願っています。
坂村真民は、42歳から96歳までの54年間に796冊の「思索ノート」を書き残していますが、この「思索ノート」の中で真民は、毎日のように自分を戒め、そして自らを励まし奮い立たせる言葉を書いています。これは、「ノート」を書き始めた40代から晩年の90代まで、変わらず一貫してほぼ毎日の「ノート」に書かれています。
また、坂村真民の詩は、「君たちはどう生きるか」を問う詩ではなく、「私はどう生きるべきか」を問う詩であり、どの詩も「君たちや貴方たちへの詩」ではなく、「自分自身に向けた詩」であり、その中心となるのが「自分を戒め、今日より明日を見つめ、前に向かって進もうとする詩」なのです。
慎ましくささやかな生活の中に小さな幸せを見つけ出し、どんなにつらい、悲しいことに出会っても、それを嘆くことなく、哀しみを受け入れ、それを湛えて、前に向かって生きることが「真民さんの生き方」でした。
一方で、真民さんは、生きることに悩み苦しみながら、いつも自分に向かって「この生き方でいいのか」、「まだまだいかん」と自問自答しながら、自分の生き方を摸索し、その答えとして詩を書いてきました。その中には、自分を厳しく戒める詩とともに、その時々にいつも自分を励まし、前に向かって生きることを詠った詩が書かれているのです。
今回の特別展では、そのような真民さんの、前向きに生きる生き方を詠った詩を集め、来館された皆さんが「少しでも、前向きに生きていこうと思える」展示構成にしています。
さらに、本邦初公開のスペシャル展示として、真民さんが常に身の回りに置き、その生き方を支えていた「真民さんの愛用品」を展示します。
皆さんの心に、「生きる希望と勇気」が沸き起こり、皆さんが「うれしいうたをつくれるよう」になることを願った、そんな真民詩を選び展示していますので、どうぞごゆっくりご鑑賞ください。
企画展「真民さんのねがい(願い)~すべての人が平和で幸せに暮らせますように~」のお知らせ
会期 令和5年10月7日(土)~令和6年2月25日(日)
坂村真民の詩には、「ねがい・願い」と題する詩が87篇あります。
地球の平和を願う「大きな願い」から、3人の娘たちの成長を願う「ねがい・願い」の詩や、どうすればよい詩が書けるか、そのために「どう生きればいいのか」を摸索する毎日の生活の中で、それらの実現に向けての「ねがい・願い」の詩もあります。
今回の企画展では、このような「ねがい・願い」の詩を、1-「家族の幸せと成長をねがう(願う)詩」、2-「人々の幸せと平和な世界をねがう(願う)詩」、3-「弱き人々の心の支えとなる詩を書きたいと願い、そのためにどう生きればいいのかをねがう詩」、4-「仏、神、大いなる人へのねがい(願い)の詩」という4つのジャンルに分類し、
その代表的な詩を展示することとしました。
「ねがい・願い」という詩を通して、坂村真民という詩人の考え方、
生き方が分かってくる展示構成になっています。
「人間としてどう生きるか」を常に自分自身に厳しく問いかけ、その答えとして詩を書き、少しでもいい詩を書き続けることを願って生きてきた坂村真民の詩には、家族を思う優しさと、弱き人々への思いやり、生きとし生けるものへの限りない愛情、そして世界の平和を願う強い意志が表現されています。
ウクライナの人々に安心と平和な生活が戻ることを願い、地球上のすべての人々が平和で安心して暮らせることを願い、平和な日本で暮らす私たちに出来ることは何があるのか、人間としてどう生きていけばいいのか、この企画展がそういうことを考えるきっかけとなればと思っています。
夏休み企画展
「あとから来る者のために~真民さんから若い人たちへのメッセージ~」
(開催期間) 2023年7月8日(土)~2023年10月1日(日)
(開催趣旨)
坂村真民が若い人たちにいつも言っていた(一番伝えたかった)ことは、「どんな小さい花でもいい、自分の花を咲かせよう」ということでした。誰かの真似をするのではなく、自分で苦労して考え、自分独自の花を咲かせてほしいと願っていました。
坂村真民の生き方は、「人間としてどう生きるか」を常に自分自身に厳しく問いかけ、その答えとして詩を書き、少しでもいい詩を書き続けることでした。
人生の先輩として、苦しい事、つらい事、悲しい事をいっぱい経験してきた真民の詩は、若い人たちがその体験を共有することによって、「一つの道しるべ」としての役割を果たしていると思います。
坂村真民の詩は、生きる希望と勇気を与えてくれる詩、命の大切さを考え生きることは尊いことだと思える詩、友を思い、家族を大切にしようと思う詩がたくさんあります。
今回の展示作品は、こうした真民詩の中から、若い人たちに是非読んでもらいたい詩を中心にして展示しています。
記念館に来て、これから生きてゆくときに、困難を乗り越え、生きる希望を得るための「心の支えとなる詩」を見つけて帰ってください。
(展示概要)
第1展示室と中部屋では、これまで来館された若い人たちが「私の好きな真民詩」として挙げている詩を中心にして、代表的な真民詩を展示しています。
第2展示室では、「館長が若い人たちにお薦めする真民詩」を、小学生、中学生、高校生にそれぞれ向けて選び18点展示しています。
特別展「一遍さんと真民さん」のお知らせ
(開催期間)令和5年3月4日(土)~令和5年7月2日(日)
(開催趣旨)
坂村真民記念館では、3月4日(土)から7月2日(日)までの会期で「一遍さんと真民さん展」を開催することとしました。
坂村真民の生涯を貫く「生き方」は、「一遍上人の生き方」を求め続けた「生き方」であったと言えます。
真民は、親しみを込めて「一遍さん」と呼び、庶民の中に生き続けた「一遍さん」を慕いつづけて、生涯を生き抜きました。
今回の特別展では、坂村真民の生き方とそこから生まれた詩に、一遍さんの「生き方とその思想」がどのように影響を与えたのかを知るために、一遍さんの「人間としての生き方」を分り易く多面的に解説し、一遍さんとはどんな人であったのか、なぜ、坂村真民が一遍さんの後を継ぐことを決心し、その生き方を「真民流の生き方」として貫いたのかを皆さんに知っていただきたいという思いで構成しています。
コロナ禍が収まらないこの日本において、私たちがこれから「どう生きてゆくか」を考える時に、一遍さんの「生き方とその思想」は、多くの人々の生き方に影響を与え、共感を生みだすものであると思います。
また、愛媛で生まれ、愛媛で修行を重ね、全国を遊行して回られた一遍さんは、全国的な知名度に比べて、愛媛ではあまり知られていないのが現状です。
そのためにも、もっともっと地元愛媛から、「一遍さん」の素晴らしさを発信してゆく必要があると思います。
そして、多くの皆様が記念館にお出でくださり、坂村真民の詩を通して、坂村真民の生き方とそれに影響を与えた一遍さんの生き方を実感していただければ幸いです。
坂村真民の詩の中で一番多いのは、家族を詠った詩です。貧しい生活の中で一生懸命に生きようとする家族の、切なく哀しい中にも、喜びと愛情あふれる日常の生活を詠った詩がたくさんあります。
今回の企画展では、三瓶、吉田、宇和島時代の真民と家族の物語にスポットを当てて、幼い3人の娘の成長を願い、その子供達が一瞬見せる純粋な姿、何気ない言葉を詩人の感性で受け止め、それを詩に書きとめた「家族の詩(うた)」を展示しています。
また、当時の写真やゆかりの品物、真民が書き残した「思索ノート」から、詩としては表現されていない「真民の心の奥にある妻や子供達への愛情あふれる言葉」を取り出して、パネルにまとめて分かりやすく展示し、「家族の物語」を再現しています。
さらに、真民の妻であり3人の子の母である坂村久代にも焦点を当てて、真民が真民らしく生き、「真民流の生き方」を貫くことができたのも、3人の子が素直で明るく優しい娘に育つことができたのも、この「妻・母」のおかげであることを詳しく解説しています。
コロナ禍の中で、人間の幸せについて考えるときに、「本当の家族の幸せとは何か」を教えてくれる「真民詩」に出会う展示となっています。
どうぞ、「懐かしい故郷の家」と思って、記念館に帰って来てくださ。家族の優しい愛情を感じながら、しばし心安らぐひと時をお過ごしいただけると思います。
10周年記念特別展「砥部の砥石で己を磨け~97年の生涯を生き切った坂村真民の生き方~」
(開催期間)令和4年3月5日(土)~令和4年8月28日(日)
(開催趣旨)
東日本大震災からちょうど1年目の、2012(平成24)年3月11日にオープンした坂村真民記念館は、今年で10年目を迎えました。
今回の10周年記念特別展では、これまでの展示の集大成として、坂村真民の生き方と、そこから生まれた「真民詩」の魅力のすべてを、皆さんに見てもらう構成にしています。そのため、第1展示室では、これまでの10年間に来館された方々のアンケートを集計して、「私の好きな真民詩ベスト15」を選出し、その詩を展示しています。
また、第2展示室では、真民が終の棲家を定めた砥部町の皆さんへのお礼と感謝をこめて、「砥部の砥石で己を磨け~97年の生涯を生き切った坂村真民の生き方~」というテーマの下で、58歳から砥部に住み、97歳まで休むことなく人間としての生き方を磨き続けた坂村真民の生き方と、自分を戒め励ましながら書き続けた真民詩の代表的な作品を展示しています。
このコロナ禍において、人々の生活は大きく変化し、人間としての生き方にも大きな影響を与えています。そういう時代だからこそ、どのような時代においても変わらぬ「人間としての生き方」を求め続けた坂村真民の生き方と、そこから生まれた「真民詩」は、私たちに「生きる道しるべ」を示してくれていると思います。
どうぞ、坂村真民の「97年の想いが込められた真民詩」をゆっくりと鑑賞していただき、これからの人生においてそれぞれの方が、それぞれの人生を考えるヒントにして、生きていって欲しいと願っております。
企画展「かなしみをあたためあってあるいてゆこう~悲しみ、苦しむ人々と共に歩む坂村真民の生き方~」
(開催期間)令和3年10月1日(金)~令和4年2月27日(日)
(開催趣旨)
「かなしみをあたためあってあるいてゆこう」というのは、自分のかなしみ(悲しみ、哀しみ)を「あたためる」、つまり大切に育み、成長させていくということです。
また、自分だけではなく、『かなしみに暮れている人(友、同僚、愛する人等)』の『かなしみ』を自分のかなしみとして感じて、一緒にかなしむ、という意味が含まれています。
『かなしみに暮れている人』へ、ただ優しい言葉をかけ、慰めるのではなく、「一緒にかなしみ」、手を取り合って一緒に生きてゆくことを願っているのです。
この考え方こそ、坂村真民の生き方の根底にある生き方なのです。
今回の企画展は、この「坂村真民の生き方」の根底にある、「かなしみをあたためあってあるいてゆく」という真民の想いと真民詩の根底に流れる「悲しみ、苦しみながら生きている人へのエール」を共有し、皆さんと共に「これからの時代の生き方」を考える場として構成しました。
また、今回の展示では、真民と交流のあった北濱普門さんの「仏画」を縁のある方から寄贈していただきましたので、「かなしみの中に、心安らげる仏画」と真民詩とのコラボ展としても見ていただけるように展示しています。
どうぞ、真民の「かなしみの詩」と「心安らぐ仏画」をゆっくりと鑑賞していただき、これからの人生においてそれぞれの方が、「かなしみをあたためあってあるいてゆく」生き方を自分なりに考えて、生きていって欲しいと願っております。